このブログでは、引用元も明示しないまま素人の私が自論を並べても価値が低いので、今後は折に触れて、今まで読んだ本を紹介しながら自分なりの解釈をしてみようと思います。
初回は予備校講師の茂木誠氏による「超日本史」です。
氏は予備校で世界史を教えていますが、大学・大学院は日本史専攻だったそうで、今回世界史から見た日本史を書かないかとの依頼によって書かれた本だそうです。
依頼された背景としては、2020年度から文科省の学習指導要領が変わり、近現代の日本史と世界史を統合した「総合歴史」なる科目が新設されるので、その教科書とはどんなものになるのか?を想像しながら書かれたようです。
先日も書きましたが、今までの日本史の教科書は世界の中の日本と言う位置付けが弱く、また世界史の教科書は欧米がいかに近代化をしてきたか、と言う欧米中心の記述になっているため、これらの見直しをするのが目的の一つのようです。これは持論でもありますが、社会人の一般常識として知っておきたい近現代史と、論争が多く現代の生活に直結しないそれ以前の歴史とは別物、と思っているので、この動きは誠に喜ばしい傾向です。
第1章のDNAの話は通常の歴史本には書かれない生命科学がさらっとおさらいされているので文科系の人にも興味深く読めるでしょう。このジャンルは専門家の先生の記述に任せた方がいいと思うのでこの著者が書いたものは論評しません。
第2章から、海外が日本に与えた影響を、白村江の戦いから壬申の乱に至る経過、大唐帝国との関わり、日元・日明貿易、倭寇、鉄砲伝来、豊臣秀吉の朝鮮出兵や徳川幕府の鎖国の背景、そして明治維新まで、解説しています。
今までの日本史本とは一線を画す内容ですので、以後、順を追って見直して行きたいと思います。