パソコン自作の歴史

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プロフィールにも書きましたが、私はマイクロプロセッサをチップで購入して自作していた時代からいわゆるマイコン、パソコンを見てきたので、ここで簡単にPCの自作について概観しておきます。


1. チップから自作した時代

私が最初に秋葉原で購入したマイクロプロセッサ(当時はマイコンと称していました)はNEC製のインテル互換8080Aでした。同時期に入手可能だった他のマイコンには6800や6502、SCMPなんてのもありました。当時はLEDとトグルスイッチでプログラムを手入力してましたが、電源を落とすとせっかく入力したプログラムが消えてしまうので外部記憶にカセットテープを使ったりしていました。

2. 半完成キットが出始めた

TK-80という基板むき出しのキットが出始めました。個人で買うには結構高くて貧乏学生には手が出ませんでした。これをBASICが動くように拡張したBASIC STATIONなどという製品もありました。

3. 8bit パソコンの時代、自作派冬の時代へ

PC-8001という当時としては画期的なパソコンが出たのでアルバイト代で無理して買いました。単体だと20万円弱だったと思いますが、モニタやディスクが飛んでもなく高かったですね。お金持ちの友人はApple IIとかコモドールPETなんかを持っている人もいました。パソコンが基板むき出しでなく一応完成品になりゲームや表計算やワープロソフトなどもぼちぼち出てきたので、ハードを自作する人は少数派に追いやられることになりました。

4. 16bit化されビジネスに使えるように

私はNECに入社してメインフレームを設計し始めましたが、同じ技術本部の違う部でPC-9801というビジネスでも使えるパソコンを設計し販売開始しました。IBM-PCに対抗して「国民機」という触れ込みで結構売れました。OSはMS-DOSの時代です。

5. DOS/V機全盛、パソコンの自作が流行り始める

NECが98アーキテクチャを諦めてIBMコンパチ機いわゆるDOS/Vに舵を切ります。Windows3.1/95の時代になりいよいよマニアや技術者でなく普通の人が使い始めます。DOS/V機はアーキテクチャがオープンで部品を組み合わせて自分専用にカスタマイズする人が続々現れます。これが今に続く自作パソコンの走りです。

6. スマホ全盛、パソコン衰退期へ

ノート、タブレット、テレビ一体型、等々、メーカが工夫を凝らしたパソコンを出し続けましたが、スマホで一般大衆のIT需要が満たせるようになって家庭からパソコンが消えつつあるようです。Windowsも10になって当面の到達点に達した感もあります。

DOS/Vの自作PCは、ゲーミング、動画編集、等々ニッチな用途で生き残っています。今後パソコン、DOS/V機、Windowsは生き残るでしょうか。生き残ったとしてどんな姿なのか、黎明期から眺めてきた者にとっては興味あるところです。

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